よく相談者からの質問で多いのは、「相続税は支払いたくないから対策として毎年贈与したいんだけど、贈与税も心配なのでどうすればいいですか?」と聞かれることがあります。
でも必ず贈与した方がいいということもないのです。
そもそも贈与が必要かどうかという観点から考えてみることが大切です。
贈与税の仕組みを知ることから
贈与とは、財産を上げる人が「あげます」と意思表示し、もらう側が「もらいます」と意思表示して、財産が確実に移動してもらう人の管理下に置かれた時に成立するものです。
贈与税とは、贈与した際に財産をもらった人が支払う税金です。
日本では、財産を無償でも誰かにあげるともらった人は税金を支払う仕組みになっているのです。
生前は贈与税がかかり、亡くなった時には相続税がかかるのです。
相続税対策は生前贈与が有効なわけ
一番のメリットは、亡くなった時にかかる相続税が少なくなると言う点です。
生前贈与で財産を渡すので、財産額が少なくなる訳ですから、相続税も少なくなるという訳です。
ただし、一度に多額の生前贈与をすると贈与税の金額が大きくなり、効果があがらないこともあるかもしれないので注意が必要です。
相続税と贈与税の問題よりも対策で大切なこと
相続税がかかるのが嫌だから生前贈与するというのも分からなくありませんが、対策する場合にはそれ以前に考えていただきたいことがあります。
それは、
・本当に贈与する必要があるか?
・贈与を受けた方にとってそれが望ましいのか?
・贈与を受けて、贈与税、その後の税金が支払えるか?
ということです。
そのご家族にとって本当に贈与が必要かどうか考えてみる必要があります。
まとめ
専門家からは、ご家族の実情を知らずに、相続税対策として、生前贈与をした方がいいというアドバイスをされる場合もあります。
その際に、相続税と贈与税の税率を考えて、安くなる方でやることが大事ですよと助言されることもあります。
でも大事なことは、同じ支払う税金ですが、相続はタイミングが自分で決められないことです。
つまりいつ起こるか分からない点にあります。
だから5年後、10年後などいつ相続が起こっても、起こりうる未来の状態を見せることが専門家の役割としては必要と考えています。
相続税も5年後に起こるのか、10年後に起こるのかによって金額は変わるはずです。
それまで日々生活して、お金を稼ぎ、使っている訳ですから、持っているお金に変動があるはずです。
その上で、贈与する必要があるのかどうかという考えることが必須です。
ぜひ税理士を始め、専門家にお願いする際には、必ず5年後、10年後の状態を試算できる窓口にお願いすることをオススメします。
もしそのような相談でお困りの方がいましたら、お気軽にご相談ください。